
2025.06.18
世界で深刻化する建設業界の人材不足
― 日本が生き残るために必要なこととは?
近年、建設業界における人材不足は日本だけの課題ではなく、韓国やオーストラリア、シンガポール、アメリカなど世界中で共通の悩みとなっています。都市インフラや再開発の需要が増す一方で、建設現場で働く人材の確保が追いつかず、多くの国がその対策に頭を悩ませています。
特に日本では、少子高齢化や若手人材の流出、短期離職の増加など、複合的な要因が重なり、現場の負担は日々大きくなっています。「ブラック企業」や「働き方改革」という言葉が注目される一方で、実際には“安定した職”や“手に職をつけたい”と考える20代も少なくありません。しかし実際の建設現場では、未経験者が挑戦しやすい道が見えにくかったり、キャリア形成のイメージが持てずに悩む人も多いのが現状です。
本記事では、世界規模で拡大する建設業界の人材不足という視点から、施工管理技術者派遣会社の現場目線を交えつつ、日本が今後どのように“生き残り”を図っていくべきかを考えます。「未経験でも新しいキャリアに挑戦したい」「現場で成長できる環境を探したい」――そんなあなたに、建設業界の今と未来、そして自分らしい働き方のヒントをお届けします。
世界中で広がる建設業界の人材不足
かつて建設業界は「景気に左右されやすい業界」と言われてきましたが、近年では都市インフラの老朽化や再開発の需要拡大により、世界的に建設需要が急増しています。韓国やオーストラリア、シンガポール、アメリカなど、多くの先進国・新興国で建設現場の「人材不足」が深刻な社会課題となっています。
・オーストラリアでは、2030年までに住宅120万戸建設を目指す中で、追加90,000人~130,000人の建設労働者が必要とされており、政府は移民・技能移民の活用を急いでいますが、それでも依然として不足は続いています。
・韓国では、「建設エンジニアの平均年齢が2004年の38.1歳から2024年には51.2歳に達し、
若年層の建設業離れと高齢化が進行している」と報告されています。
この背景には、少子高齢化、建設業に対する「3K(きつい・汚い・危険)」というネガティブイメージ、他産業への人材流出や、世界的な経済変動による待遇面での競争激化が挙げられます。
日本の建設業 ― 何が人手不足を深刻化させているのか
日本の建設業界でも、海外同様に労働人口の高齢化が深刻です。国土交通省の「建設労働需給調査」によれば、55歳以上が約33%、29歳以下が約11%となっており、若い世代の割合が極めて低い状況です。
2023年時点で建設技能者の平均年齢は約48歳。まもなくベテラン層が大量に退職する「2025年問題」が差し迫っており、現場の技術継承や担い手不足が現実的懸念となっています。
若手の参入不足にはいくつか要因があります。
第一に、長時間労働や休日の少なさなど、「ブラック企業」的なイメージが根強いこと。
第二に未経験者にとって、資格や技能取得のハードルが高く、将来のキャリアが見えづらいという構造的問題。さらに、都市部と地方での人手不足格差や、外国人技能実習生に依存している現場が増えていますが、それでも中核人材である「施工管理技術者」は慢性的に不足しています。
施工管理技術者派遣会社の現場から見た“リアル”
このような人材不足の中で、施工管理技術者派遣会社の役割はかつてないほど重要になっています。施工管理技術者は、工事現場の進捗・品質・安全・コスト管理を担う“現場の指揮官”です。しかし現場では「即戦力の施工管理者が足りない」「若手が続かない」「未経験者を育てる余裕がない」といった声が多数上がっています。
施工管理派遣会社では、資格取得支援やOJT(現場研修)により、若手・未経験者の早期戦力化・現場定着につなげています。単に「人を派遣する」だけでなく、「個々のキャリア形成支援」と「現場ごとの教育体制強化」に力を注いでいます。
日本の未来に必要な“新しい働き方”と人材育成
人手不足を乗り越える鍵は、「働きやすさ」と「多様なキャリア形成」が両立する新しい働き方の実現にあります。
・働き方改革:労働時間の短縮、休日確保、ICT施工の導入など、施工現場の利便性が向上しつつあります。
・教育の仕組み化:「未経験からでも挑戦できるオンライン研修」「メンター制度」「現場教育プログラム」など、育成環境の整備が各所で進行中。
・先端技術の活用:ドローン測量、BIM、AIによる工程管理により、業務効率化だけでなく若手の興味関心を引く魅力的な現場づくりが期待されています。
施工管理としての経験とノウハウは、このような変革を各現場に繋げ、働き手の成長と満足度を支える重要な橋渡し役となっています。
20代・未経験からのチャレンジ ― 建設業界で描けるキャリア
現在、建設業界は「未経験者」や「異業種出身者」にとって魅力的なフィールドとなっています。飲食や販売からの転職で施工管理技術者として活躍し、
資格取得をしながら「一生モノのスキル」を身につけている若手も多くいます。
確かに業務は厳しい面もありますが、達成感や社会貢献を実感できる仕事であり、やりがいの大きさは他業界に引けを取りません。施工管理派遣会社では、一人ひとりの希望やスキルレベルに合わせ、最適な現場とキャリアプランを提案しています。「ブラック企業には戻りたくない」「安心して長く働きたい」と考えるあなたにとって、建設業界は新たなスタート地点です。
まとめ
建設業界の人材不足は、日本だけでなく世界的な課題です。各国が制度や技術を駆使して対応を進める中、日本も「働きやすさ」「多様なキャリア」「育成環境」を整える必要があります。施工管理技術者派遣会社としては、現場の声を反映したサポートと教育の仕組みづくりに注力しています。
「今の働き方に疑問がある」「将来に不安がある」「ブラック企業にはもう戻りたくない」
――そんなあなたこそ、一度建設業界に目を向けてみてください。
建設業に挑戦したい方は、エンジニア株式会社(https://e-ngineer.co.jp/)で新たな一歩を踏み出してみませんか?あなたのチャレンジを応援しています。
参考
■ABC News「90,000 extra construction workers needed to be on track for goal」
https://www.abc.net.au/news/2024-03-24/90-000-extra-construction-workers-needed-to-be-on-track-for-goal/103625934?utm_source=chatgpt.com
■The Access Group「Labour Shortage In The Construction Industry」
https://www.theaccessgroup.com/en-au/construction/resources/labour-shortage-in-the-construction-industry/?utm_source=chatgpt.com
■Master Builders Australia「Construction industry workforce shortage needs to be addressed」
https://www.buildaustralia.com.au/news_article/mba-calls-for-urgent-action-to-address-construction-industry-workforce-shortage/?utm_source=chatgpt.com
■毎日経済新聞(韓国語記事)「建設エンジニア平均年齢51.2歳に上昇」
https://www.mk.co.kr/en/realestate/11192426?utm_source=chatgpt.com
■国土交通省「建設労働需給調査」(令和7年4月)
https://www.mlit.go.jp/toukeijouhou/chojou/labor_result.htm?utm_source=chatgpt.com