COLUMN コラム

2025.07.09

建設業界の未来を切り拓く:DXとテクノロジー活用が変える“働き方”と2025年へのチャンス

いま、金融の世界でもっとも“堅い”と言われてきた銀行業界でさえ、生成AIやDXといった先端テクノロジーの導入が始まっています。三菱UFJ銀行が中期経営計画の策定にAIを活用し、業務効率化やリスク分析、従業員のサポートまで実現し始めたというニュースは、業界に大きなインパクトを与えました。かつて「セキュリティ面の懸念があるからテクノロジー活用は難しい」と考えられていた銀行でさえ、いま大きな変革の波に乗り出しているのです。
この動きは建設業界にも確実に波及しています。DX(デジタルトランスフォーメーション)やAI、IoTなどの新しい技術が急速に普及しはじめており、現場の働き方や求められるスキルも大きく変わろうとしています。特に2025年を前に、人手不足・高齢化・現場の効率化ニーズが一気に高まるなかで、「これからの建設業界でどんなキャリアを築くか?」は、20代の若い皆さんにとってまさに“いま考えるべきテーマ”です。
そして、テクノロジー活用のリテラシーがまだ固まりきっていない今こそ、あなた自身が業界変革の主役になる大きなチャンスが広がっています。

銀行業界に学ぶ、堅い業界でも加速するテクノロジー導入の潮流

銀行業界は、長年「情報セキュリティが最重要」「新しいテクノロジーの導入には慎重」というイメージが強い業界です。その銀行業界の中でも最大手の一角である三菱UFJ銀行が、2024年以降の中期経営計画策定に生成AIを本格的に活用し始めたという事実は、産業界全体に大きなインパクトを与えました。
これまで、経営の根幹である中期経営計画の策定は、人による膨大な情報収集や議論を重ねて進められてきました。しかしAIの導入により、競合他社の動向や経済情勢の分析、リスク評価、シナリオ作成などが効率化され、経営企画の現場は大きく変わり始めています。
この背景には、日々高度化するサイバー攻撃や社会の急速な変化に柔軟に対応する必要があること、そしてデータ分析力や業務効率化が企業競争力のカギを握る時代になったことがあります。かつて「テクノロジー活用は難しい」と考えられていた銀行ですら、今やAIやDXに大規模な投資を行い、全社的な改革に踏み切っています。

三菱UFJ銀行のAI活用から見えること

三菱UFJ銀行が取り組む生成AIの活用例は、単なる業務効率化にとどまりません。経営計画のたたき台作成や、リスクシナリオの多角的分析、チャットAIによる従業員サポートなど、経営・現場両面でAIを活かす動きが本格化しています。こうした事例は「変化を恐れず、時代の最先端を取り入れる柔軟さ」がどの業界でも求められていることを示唆しています。

セキュリティ懸念を乗り越えた導入事例

もちろん、金融機関がAIを導入する際には、情報漏えいやデータ改ざんといったセキュリティ面の懸念が常につきまといます。しかし、それでもAI活用が本格化しているのは「リスクを最小限に抑えつつ、得られるメリットの方が大きい」という判断がなされているからです。これは、他の“堅い業界”や変革に慎重な業種にも共通するトレンドとなっています。

建設業界にも迫るDX化とテクノロジー活用の波

建設業界はこれまで「アナログ」「保守的」というイメージが根強く残っていました。しかし今、AIやIoT、クラウド技術などの進化によって、現場の業務効率化・安全管理・コスト削減など多方面でテクノロジーの導入が急加速しています。
たとえば、建設現場での工程管理や品質チェックにAIを活用する事例、ドローンやウェアラブルデバイスによる進捗・安全管理、3Dプリンターを使った部材の自動生成など、現場で「働き方」が大きく変わり始めているのです。

現場業務とテクノロジーの融合が生むメリット

テクノロジーの導入によって、建設現場の働き方は大きく変化します。たとえば、AIを活用した進捗管理では、従来のような紙ベースの記録や手作業での確認作業が不要になり、作業ミスや見落としも減少します。さらに、遠隔からのモニタリングや自動レポート作成により、現場管理者の業務負担も大幅に軽減されます。

いま現場で進むAI・IoT活用例

最近では、現場作業員が身につけるウェアラブル端末で体調や動線を管理し、熱中症や事故リスクをAIが自動で検知する仕組みも広がっています。また、現場の映像をAIが解析し、不安全行動を即時に警告するシステムや、施工計画の自動最適化など、“現場のデジタル化”は一気に進展中です。

2025年、建設業界の変革期に何が起きるのか?

2025年は建設業界にとって大きな節目の年です。「2024年問題」や労働人口減少など、さまざまな課題が一気に顕在化しますが、同時に“新しい働き方”へとシフトするチャンスでもあります。

労働人口減少・人手不足の加速

少子高齢化の影響で、建設業界の担い手は年々減少しています。人手不足は慢性化しており、現場で働く人の平均年齢も上昇傾向です。これにより、一人ひとりの生産性向上や、若手が現場を引っ張る役割の重要性が高まっています。

新たな働き方へのシフト

これまでの「現場で汗を流して働く」というスタイルだけでなく、ITやデータ活用、遠隔監視、クラウド連携など、多様な働き方が主流になりつつあります。DX推進によって、現場と本社、協力会社をつなぐ“スマート施工”も増え、時間や場所に縛られない働き方が広がっています。

若手こそ今こそチャンス!“未来の働き方”を自分ごと化するには

これまで説明したように、建設業界のDX化やテクノロジー活用はまさに今“始まったばかり”の段階です。業界全体で「新しい働き方」への知見やノウハウが十分に行き渡っているわけではなく、若手や未経験者にとっては“いま参入することが大きな武器”になる時期でもあります。

固まりきっていない業界リテラシーとは?

たとえば、AIやIoT、DXに関する知識は現場のベテランだけでなく、若手にもまだ“圧倒的な差”がついていません。「難しそう」と思い込まず、ちょっとしたITスキルや最新テクノロジーへの関心があるだけで、現場で重宝される存在になれます。

新しいスキルや知識が武器になる

「建設業界=力仕事」というイメージは過去のもの。いまやExcelやクラウドツール、チャットアプリの活用、スマートデバイスの取り扱いなど、“ちょっとしたITリテラシー”が評価される時代です。これからの現場で求められるのは、新しいスキルや知識を柔軟に吸収し、実践できる人材です。

これからのキャリア設計と、建設業界で輝くために

建設業界の“これから”は、デジタル技術を味方につける人が大きなチャンスを手に入れる時代です。今のうちから、テクノロジーや新しい働き方へのアンテナを高く張り、自分のキャリアを積極的に設計していくことが求められています。

いま動くべき理由

「まだリテラシーが固まっていないからこそ、早くから経験を積める」この特権は、これから建設業界でチャレンジしたいと考えている若手にとっては大きなメリットです。自分の強みを活かしながら、時代の変化をキャッチアップし続けることが、未来のキャリア形成につながります。

新しい時代の業界で求められる人材像

いま、業界が最も求めているのは「変化を恐れず、最新の技術を素直に学び吸収できる人」です。ITやAIの専門家でなくても、日々の業務で少しずつテクノロジーを使いこなす力が、やがて大きな差となって表れていきます。将来を見据えて、自分自身の成長に積極的に取り組んでみましょう。

まとめ

いま建設業界は、かつてない変革期を迎えています。銀行など堅い業界でもDXやAIが導入される中、建設現場でもテクノロジー活用が一気に広がろうとしています。業界全体のリテラシーが固まりきっていない今なら、未経験からでも新しい技術や知見を吸収し、自分らしい働き方やキャリアを切り拓くことができます。
これからの建設業界は、「ただの力仕事」ではなく、“データを読み、テクノロジーを使いこなす現場力”が強みとなる時代です。2025年、そしてその先の未来で輝くために――新しい働き方に一歩踏み出し、自分の可能性を広げてみませんか?
もし、「これからの建設業界で自分らしいキャリアを築いてみたい」と少しでも思った方は、エンジニア株式会社(https://e-ngineer.co.jp/)への応募を検討してみませんか?
あなたの挑戦を歓迎しています。

参考

■国土交通省「建設業のDX推進について」
https://www.mlit.go.jp/tec/tec_tk_000073.html
■国土交通省「建設業界における働き方改革への取り組み」 https://www.hrr.mlit.go.jp/gijyutu/seisan/R5zenki/seisan_R5_s-2.pdf
■日本建設業連合会「適正工期確保宣言」
https://www.nikkenren.com/kenchiku/tekiseikouki.html
■建設業界でのAI活用事例15選|つくのび
https://tsukunobi.com/columns/construction-industry-ai-case
■日経新聞「三菱UFJ、AIを経営計画に活用」
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB24AUV0U5A620C2000000/
■三菱UFJフィナンシャル・グループ DX戦略・AI活用事例
https://www.mufg.jp/profile/strategy/dx/articles/0112/index.html