COLUMN コラム

2025.07.24

建設業界が若手に本気で期待する理由──未経験でも歓迎される背景と今後のチャンス

「今の仕事、ずっと続けられるだろうか…」
そんな不安を抱える20代の若者が増えています。ブラック企業で心身をすり減らし、転職してもまた短期離職。気づけばフリーターが長期化して、キャリアの未来が見えない…。
そんな状況にあるあなたに注目してほしいのが、建設業界です。
実は今、建設業界は深刻な人手不足を背景に「若手」「未経験者」にこれまで以上の期待を寄せています。今回は、ある地方の建設会社が実践している採用戦略や人材支援制度から、今なぜ建設業界がチャンスなのかをひも解いていきます。

深刻な人手不足──建設業界が直面する現実とは

建設業界は今、大きな転換点を迎えています。
その最たる要因が「人手不足」。国土交通省の統計によれば、建設業従事者の高齢化は進み、55歳以上の割合が3割を超える一方で、29歳以下は1割程度にとどまっています。
このままでは熟練技術者が大量に引退する「2025年問題」も現実味を帯びており、若手の確保は待ったなしの状況です。
かつては「きつい・汚い・危険」のイメージが根強かった建設業ですが、今ではICT活用による労働環境の改善や、週休2日の導入などで、職場環境は大きく進化しています。
しかし、業界全体で若手人材の取り合いが激化しており、各企業が本気で採用戦略を見直し始めています。

若手・未経験者への期待が高まる理由

こうした背景から、企業の視線は今、確実に「若手」へと向かっています。
経験がなくても、育成前提での採用を強化する企業が増えているのです。
特に注目されているのが「未経験からのキャリアチェンジ」。
異業種やフリーターからでも、一から学び手に職をつけたいという若者を歓迎する動きが広がっています。
なぜなら、建設業は現場ごとに人が育ち、技術が継承されていく世界。若いうちから現場での経験を積めば、将来的には現場監督や施工管理といった中核ポジションを目指すこともできるのです。

企業の具体的な取り組み:角藤の人材戦略から見える本気度

経験者シフトと新卒支援の両立

長野県を拠点に全国展開する建設会社・角藤の事例は、まさに業界の「若手重視」の姿勢を象徴しています。
同社は、2021年から5年間で社員数を150人増やす計画を掲げており、採用手法も刷新。
それまで新卒中心だった方針を見直し、「経験者採用」へと軸足を移しました。
これは、建設業界で働いた経験を持ち、業界の実情に理解のある人材の方が早期戦力化できるという判断によるものです。
とはいえ、新卒採用や若手育成を軽視しているわけではありません。入社後のミスマッチを防ぐため、1年目社員に対して上司が月1回の面談を行い、仕事や生活面の不安を丁寧にヒアリング。早期離職を防ぐためのフォロー体制も整えています。

入社後のフォロー体制が充実

また、経験者に対しても、入社式の導入や、会社全体で歓迎のムードを醸成する取り組みを実施。
これにより「中途だから疎外感がある」といった離職リスクを最小限に抑えています。
こうした制度の充実は、若手にとっても安心材料になります。

奨学金制度の導入から見える「未来への投資」

角藤ではさらに、2024年には理工系学生を支援する「角藤奨学財団」を設立。
これは、ものづくりに関わる技術者や技能者を将来にわたって育成していくための長期的な取り組みです。
この奨学金は返済不要で、高校生には月2万円、大学生・高専生には月4万円を給付。年間35人を対象に給付する計画で、初年度から130人を超える応募が集まりました。
こうした施策からも見て取れるのは、「人を育てること」に対する本気度です。
「リクルートに直結しなくても、理工系を目指す若者の母数を増やすことが大事」という社長の言葉からは、業界全体の未来を本気で考える姿勢が感じられます。

今こそ建設業界に飛び込むチャンス──キャリアに悩む若者へ

今の仕事に将来性を感じられない、社会との接点をうまく持てていない――
そんな不安を抱えるあなたにとって、建設業界は実は「次の一歩」を踏み出すための可能性に満ちています。
手に職をつけられ、需要が高く、社会貢献度も高い。
しかも今は、若手・未経験者のための受け入れ体制が整いつつあり、業界全体が本気であなたを必要としています。
エンジニア株式会社(https://e-ngineer.co.jp/)でも、やる気ある若者の新しいスタートを歓迎しています。
これまでのキャリアに不安があっても、大丈夫。ここからがあなたの本番です。

参考

■住生活産業総合情報ウェブマガジン
https://htonline.sohjusha.co.jp/20250626-1/
■国土交通省
https://www.mlit.go.jp/report/press/tochi_fudousan_kensetsugyo14_hh_000001_00233.html
■株式会社角藤「角藤奨学財団が公益認定 ものづくり技術者の育成支援」
https://www.kakuto.co.jp/topics/post-77.html
■OIKIAI Plus「角藤奨学財団が公益認定 長野県内の理工学系学生を対象に奨学金支援」
https://oikiai-plus.jp/kakuto_zaidan_shogakukin/
■国土交通省「建設業及び建設工事従事者の現状」
https://www.mlit.go.jp/common/001180947.pdf
■国土交通省「建設業における人材確保に向けた取り組みについて」
https://jsite.mhlw.go.jp/niigata-roudoukyoku/content/contents/4_060829ngtjinzaikakuho_seibikyoku.pdf