COLUMN コラム

2025.11.19

生成AI×建設業界の最前線:ChatGPTとICTツールで進める業務効率化と人材育成

2024年の残業規制強化を背景に、建設業界でも業務の効率化が急務となっています。図面作成や工事計画書、日報の作成といった膨大な事務作業は、現場の技術者にとって大きな負担となってきました。
こうした状況のなか、注目されているのがChatGPTなどの生成AIやICTツールの活用です。大手ゼネコン各社もその可能性に着目し、研修やツール導入を本格化しています。
しかし、当社ではすでに2024年からChatGPTを活用した社内研修を開始し、さらにスパイダープラスや独自のMyGPTといったツールも取り入れながら、生成AIを現場で実装可能な人材の育成に取り組んできました。本記事では、建設業界における生成AI活用の動向と、当社が進める先進的な業務効率化・人材育成の取り組みをご紹介します。

建設業界が直面する課題と、生成AI導入の加速背景

建設業界では長年にわたる人手不足と高齢化が深刻な問題となっており、さらに2024年の「時間外労働の上限規制」強化によって、現場の働き方改革が急務となっています。とくに施工管理職や技術職に求められる業務は、現場対応に加えて煩雑な書類作成や調整業務が多く、慢性的な長時間労働の要因となってきました。
こうした課題に対する解決策として、近年注目されているのが「生成AI」の導入です。ChatGPTに代表される対話型AIは、テキストベースの作業を効率化できる点から、建設業においても活用の幅が広がりつつあります。特に、日報や工事計画書などの定型文書の作成にAIを応用することで、業務の大幅な時間短縮が可能になります。
業界全体が技術革新と労働環境改善の両立を求められる今、生成AIは新たな希望として現場に浸透し始めています。

大手ゼネコン各社の生成AI活用事例

建設業界でも、いよいよ生成AIの業務活用が本格化し始めています。たとえば大成建設では、米OpenAIと連携し、ChatGPTの業務活用に向けた研修を展開。2025年度中には、全社員の1割強にあたる約1200人をAI活用可能な人材として育成する計画を打ち出しました。
同社は特に「工事計画書の自動作成」に注力。数百ページにも及ぶ文書をAIがドラフト作成することで、週5時間もの業務削減を実現しようとしています。これにより技術者はチェックや修正に集中でき、全体の業務効率が向上します。
また、インフロニア・ホールディングスでは生成AIを社内で内製化し、工事計画の作成時間を2割削減。各社とも、AIを単なるツールとしてではなく、現場業務の変革を担う中核技術として捉えています。

当社の取り組み|生成AI人材育成とICTツール活用による現場支援

こうした事例は、建設業におけるDX推進加速を示す象徴的な動きではありますが、当社では、それに先立つ2024年から生成AIの可能性にいち早く着目し、ChatGPTを活用した社内研修を開始しました。研修の目的は、生成AIを業務に生かせる人材の早期育成にあります。日報作成や報告書の下書き、Excelやスプレッドシートの処理の自動化など、現場で直面する課題を解決するための具体的なスキルを網羅的に学べる内容となっています。
参加社員からは「毎日の定型業務にかかる時間が半分以下になった」「ミスが減り、確認業務に集中できるようになった」といった実感の声が多数寄せられており、すでに効果が表れています。
さらに2025年10月からは、施工管理支援アプリ「スパイダープラス」も本格導入。写真管理や図面の共有、進捗の可視化といったICT化により、現場の情報共有と作業の質が向上しています。
加えて、当社独自に開発した「MyGPT」も運用を開始しました。MyGPTは当社の施工ルールや過去のQAを学習済みで、現場スタッフの疑問に即座に回答できる体制を構築。属人化しがちなノウハウを全社で共有できる環境を整備し、技術継承や人材育成の支援にもつなげています。
このように当社では、生成AIとICTを活用した包括的な支援体制をいち早く整え、現場の効率化と業務品質の両立を図っています。

生成AI活用の未来と、建設業界における当社のビジョン

今後、生成AIの活用はさらなる進化が見込まれています。定型文書の作成支援だけでなく、施工手順の提案、リスク予測、品質管理の自動診断など、より高度な領域への応用が期待されています。
当社ではこうした技術革新を柔軟に取り入れながら、単なる業務効率化にとどまらず「創造的な仕事に集中できる環境づくり」に注力しています。また、生成AIを早期から実装したことで、若手社員の定着率向上や採用力の強化にも寄与しています。
生成AIやICTの導入は、技術者の負担軽減だけでなく、建設業界全体の働き方改革にも大きく貢献するものです。当社は今後も、現場と技術の融合を進めながら、業界の未来をリードしていきます。

まとめ

建設業界でも本格化しつつある生成AIとICTの導入。大手企業がようやくスタートラインに立つなか、当社ではChatGPTを活用した実践的な研修を2024年から進め、スパイダープラスやMyGPTといったツール導入も着実に推進してきました。
こうした早期からの取り組みにより、単なる効率化にとどまらず、現場での知見共有や技術継承、さらには働きやすい環境づくりへと繋げています。
今後も生成AIの進化に合わせ、柔軟かつ戦略的な活用を続けていくことで、建設業界における新しい働き方をリードしていきます。
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参考

■経済産業省「生成AI時代の人材育成」資料
https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/digital_jinzai/pdf/008_05_00.pdf
■日本経済新聞|大成建設、生成AI人材1200人育成
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO92630730W5A111C2TB1000/?n_cid=dsapp_share_ios