INTERVIEW

未経験から現場のプロへ
- DX時代の施工管理を切り拓く挑戦者のリアルストーリー -

技術者F.N

未経験から現場のプロへ

まずは自己紹介をお願いします。どのような経緯で施工管理を選んだのでしょうか? また、働き始めた頃に感じたギャップや苦労、壁にぶつかったときの乗り越え方を教えてください。

私は以前、テーマパークで接客の仕事をしていました。そこで培ったコミュニケーション力を活かせる仕事を探しているうちに、資格取得など自分の努力次第でキャリアアップが可能な「施工管理」に魅力を感じ、この道を選びました。
実際に働いてみると、想像以上に分からないことが多く最初は戸惑うばかりでした。また、デスクワークの割合が予想より多かったのも驚きです。私の場合、6~7割ほどが事務所での打ち合わせやPC作業でした。慣れないうちは負担に感じるかもしれませんが、私はPC操作が得意だったので比較的スムーズに対応できました。
苦労したのは、専門用語などの知識不足でした。会議や朝礼に参加しても何を言っているのか分からない場面が多かったんです。そんなときは必ずメモを取り、自分で調べたり、上司や職人さんに質問してクリアにしていきました。分からないままにせず、積極的に行動することで少しずつ壁を乗り越えられたと思います。

3Kのイメージが変わった瞬間

建設現場には「きつい・きたない・危険」という3Kのイメージが根強いですが、実際に働いてみて印象は変わりましたか? また、どんな場面で「3Kが変化している」と感じますか?

正直、まだ「暑い」「汚れる」「危険がある」という点は残っていると思います。夏場は空調服を支給されてもやはり暑いですし、リスクを伴う作業もあります。ただ、業界全体として改善しようという動きは年々強くなっていると感じます。
例えば、4週8休の休工日を導入したり、気温が高い日はこまめに作業を止めて休憩を取れるようにするといった現場が増えました。昨年から時間外労働の上限規制も導入され、各社で残業削減に本腰を入れるようになっています。こうした取り組みは、少しずつ業界のイメージを変えていると実感しています。

DX時代における施工管理の可能性

BIMやドローン、AIなどの新技術を取り入れた現場を経験したことはありますか? 具体的にどのようなメリットを感じましたか?

私が配属された現場では、BIMやドローンの3Dスキャン測量などを活用していました。例えば、CAD図や施工図をBIMデータに起こすことで、仮設計画が立てやすくなったり、設備同士の干渉を事前に確認できたりするなど、多くのメリットがあります。
こうした最新技術を使いこなせるようになると、さまざまな現場で必要とされる人材になれると思います。私自身も積極的に学び、これからもスキルを磨いていきたいと考えています。

仕事を通じて得たスキルとキャリア観

入社後に身についたスキルや成長を実感するのはどんなときでしょうか? また、資格取得や大規模案件の経験はキャリア形成にどう影響していますか? 将来のキャリアプランもあわせて教えてください。

一番成長を感じるのは、職人さんや職長さんとのコミュニケーションがスムーズになったときです。最初は専門用語が分からず、相手の意図を汲み取れないことが多かったのですが、現場経験と資格勉強の中で徐々に理解できるようになりました。現場で話が通じるようになると、「自分も着実に力がついてきたんだな」と感じます。
資格の取得は自分の知識や意欲を証明する場になるので、仕事をしながらだと大変ですが大きなメリットがあります。勉強を続ける姿勢そのものが評価されるケースも多いですね。
今後は1級施工管理技士を取得し、一つの案件を準備段階から竣工まで責任をもって進められるようになりたいです。その経験を積んで、将来的にはプロジェクト全体をマネジメントするリーダーとして活躍したいと考えています。

求職者へのメッセージ

これから施工管理を目指す方に、「知っておいたほうがいいこと」や「この仕事の魅力」を伝えるとしたら? 未経験から挑戦する方やキャリアアップを目指す方へのメッセージもお願いします。

この仕事の大きな醍醐味は、携わった建物や設備が完成し、目に見える形で成果を感じられることです。新築でも改修でも、完成を迎えたときの達成感は格別ですし、実際に利用されている様子を見るとやはり誇らしい気持ちになります。
最初は「怖そう」「難しそう」という先入観を持たれるかもしれませんが、積極的に質問してコミュニケーションを取るうちに現場には自然と馴染んでいけます。分からないことをそのままにせず、実際に作業を見たり調べたりする姿勢があると、どの現場でも重宝されます。
私自身、未経験で不安でしたが、思い切って飛び込むことで大きく成長できたと感じています。施工管理としてキャリアアップしていくにしても、ほかの道へ進むにしても、この業界で身につけた経験は必ず活きてくるはずです。ぜひ、積極性を大切にして挑戦してみてください。